こんにちは!せこかんくんです。
今回は鉄筋の納まりについて話をします。
はじめに
鉄筋工事において、工事が始まる前に鉄筋の納まりについて検討することはとても大事なことになります。
鉄筋工事が始まる前に、日本建築学会の鉄筋コンクリート造配筋指針・同解説と公共建築物標準仕様書は必ずすぐ見れるように手元に置いておきましょう。
構造図通りに配筋が不可能な事は、多々あります。構造設計者と密に連絡をとり、質疑書を挙げて事前に問題点を潰していく事は、工事を止める事なく円滑に進めていく上で必要不可欠になります。
特に、RC造の建物では鉄筋の定着が確保できない場合や構造図の通りに配筋ができない場合がよくあるので注意が必要です。
よくある配筋の注意事項
柱・梁の納まりでよくある配筋の問題として、梁主筋を柱へ定着させる際に、La定着(柱せいの3/4倍以上と)しなければいけないです。柱せいが1,000mmよりも小さい場合はLaが確保できない可能性がでてくるので注意が必要です。
梁主筋を柱に飲み込ませる場合に、梁主筋の2段筋がある場合はLa確保が厳しくなる場合があります。
1,000mmの柱の場合は、750mm
900mmの柱の場合は、675mm
800mmの柱の場合は、600mm
700mmの柱の場合は、525mm
単純に、700mmの柱の場合は、
柱のかぶり厚を50mm、フープ筋D13、柱・梁主筋D25とすると、50(かぶり)+14(フープ筋)+28(柱主筋)+38(あき)+28(梁主筋)+38=196mmとなります。
700-196=504mmとなり、梁主筋の2段筋がある場合は柱せいの3/4となる525mmを確保することができなくなります。
そのため、梁主筋の定着La3/4を確保するのを優先させるか、それとも梁主筋のL2定着のみでいいのか、鉄筋のあきを狭くするのか、施工者として良質なコンクリートを打設するために鉄筋のあきは確保したほうがいいです。
構造設計者によっては、La 3/4Dを確保するのは1段筋のみで、2段筋以降については、柱にL2定着すれば問題ないと言うこともあります。
構造図通りに配筋をすることができなくなる場合は、構造設計者に確認して鉄筋の納まりを確認する必要があります。
現場で配筋がはじまってから構造図通りに配筋ができない事に気づくと、構造設計からの回答を待たなければいけません。打設前の配筋検査で指摘されてしまうと、コンクリート打設ができなくなる事に加えて、配筋をやり直す可能性もでてきます。
そのため、工事が開始する前に、配筋が納まるか怪しい部分は、配筋図を書いて納まりを検討する必要があります。小さな事でも構造設計者に鉄筋の納まりを確認する事はとても大事になってきます。
その他にも、構造図通りに配筋をしようとするとアンカー筋で柱部分が密になってしまい、コンクリートの充填性に問題が生じることもあります。
最後に
構造設計者にもミスはあり、完璧ではないので、施工者として専門工事業者とも協力し、問題点を見つけて協議を行っていくことが大切です。
当たり前ですが最終的な決定は、建物の構造計算もあるので構造設計者に決めてもらう必要があります。施工者の判断で勝手に決めることは絶対に無いようにしましょう。
施工者の解釈で良かれと思って勝手に決めてしまうと、構造図通りに配筋ができてないと言う事で配筋のやり直し、コンクリートを打設してしまうとウォータージェット等で時間、工程、お金がかかってしまう事になります。鉄筋は隠蔽部になってしまうので要注意です。
構造図の内容は、難しい内容も多いため理解が難しい所も多いですが品質不具合を起こさないためにも、一つ一つ着実に施工していきましょう。
工事が始まる前に専門工事業者と構造図の読み合わせを行っておくと共通認識の問題点も明確になります。
その他にも鉄筋については奥が深いのでまた話をしようと思います。
少しでも参考になれば幸いです。
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