知らないと大問題に!頭付きスタッド施工時の注意点

施工関連
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こんにちは!せこかんくんです。

今回は、頭付きスタッドについて話をしようと思います。

建築に携わっていないとスタッドという存在すら知らないと思います。

スタッドとは?

まず初めに、スタッドとは鉄骨梁と鉄筋コンクリートスラブを頭付きスタッドで一体化した合成梁であり、たくさんの建造物に使用されています。

詳細に説明すると、鋼棒を母材に接触させて電流を流します。スタッドを母材から離すことでアークが発生して、溶融したところで溶融池に押し付けて溶着させることです。

梁のフランジに取り付けて、スラブ・梁を一体化させることで合成梁とします。

スタッド溶接を行うための必要な資格

種別作業範囲
基本A級22mm以下の下向き溶接
専門B級16mm以下の横向き・上向き溶接
22mm以下の下向き溶接
専門F級25mm以下の下向き溶接

頭付きスタッドは、ずれ止め、シャコネクタ、ジベルとも言われています。

周辺建物の精密電子機器に影響を与える?磁場発生?

スタッドの品質的な問題はよく聞くと思いますが、建設地周辺に及ぼす影響もあることを頭に入れておきましょう。

鉄骨造建物におけるスタッド溶接では、既存建物の精密子機器に影響を与える可能性が考えられます。

増改築を行う際には特に注意が必要です。増改築工事をする際は、精密電子機器の把握磁場の影響範囲を確認してからスタッド溶接を行わないと周囲へ影響を及ぼす大問題になってしまう可能性があります。

影響を与える原因として考えられるのは、ケーブルアースされた鉄骨の位置関係がコイル状になることで磁場が発生するためです。(右ねじの法則が発生) 高校生以来聞いてないワードかも??

特に、スタッド溶接は鉄骨を溶接する際の5倍以上の大電流を使用します。

それに伴って、磁場も比例して大きくなります。

溶接電流と電源・電圧を下記に示します。

こんなに?て思う方もいると思います。

種別溶接電流 A電圧
スタッドφ191500程度100kVA程度
半自動溶接φ1.2300程度33V程度

どの程度、どんな機器に磁場影響がでるのか?

機器別許容磁場スタッド溶接磁場範囲の例としては、

溶接点から約4m以内が3A/m、約9m以内が1A/m、約30m以内が0.1N/m程度だと考えられます。

磁場の影響を受けやすい機器としては、

コンピュータ・精密計測・分析機器・電子顕微鏡などがあります。

許容磁場は、

コンピュータ 3A/m、精密機器・分析機器 1A/m、電子顕微鏡 0.1A/m

となります。

周囲に影響してしまう、スタッド溶接時の磁場対策は何かあるのか?

磁場は、電流経路の垂直方向に発生するため、この特性を考慮した磁場抑制対策例(電子顕微鏡等は考慮なし)を紹介します。

  • 溶接機からの配線は、アース線と溶接ケーブルを束ね、柱沿いに立ち上げる
  • 配線横引き禁止(既存建物から9m)エリアは束ねたケーブルを既存棟に対し垂直に配線
  • 端末のアース線は、梁近傍に平行に沿わせる
  • 溶接を行う場所とアース位置の距離は最大5m

以上を行うことで磁場の抑制を行うことができます。

少しでも今後の参考になれば幸いです。

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