こんにちは!せこかんくんです。
今回は、六価クロムについて少し話をまとめました。
六価クロムとは?
六価クロムとは、土壌汚染対策法において特定有害物質に指定されている発がん性物質のことです。
強い毒性を持っているため注意が必要です。
六価クロムは、粘性土とセメントを混ぜ合わせた時に溶出しやすいです。(火山灰質粘性土や関東ローム等)
(化合物が+6の酸化数のもので、高温で加熱することで六価クロムが生成されます。自然界にはほとんど存在しません。)
基本的には、水和物の中に六価クロムが閉じ込められます。
しかし、関東ローム等の土では固化材等が固まりにくく、水和反応が弱くなり、水和物の中に閉じ込められず溶出してしまいます。
既成杭工事におけるセメントミルクで六価クロム溶出試験は必要か
結論から言うと、必要ありません。
既製杭においては、コンクリートパイル建設技術協会で実験を行い、溶出濃度が基準値以外であり必要ない事が記載されています。(コンクリートパイルの製造及び施工を業とする法人で組織する業界団体であり、元国土交通省所管の社会法人)
セメントを使用したセメントミルクを根固め液と杭周固定液で使用するためリスクとしては考えられますが、土と攪拌するわけではないので実験した結果は問題なかったのかと思われます。
六価クロム溶出試験の対象となる工事と対策
セメント、セメント系固化材(普通ポルトランドセメント、高炉セメント、セメント系固化材、石灰系固化材)と攪拌混合される場合は、六価クロム溶出試験が必要になると考えた方が良いです。(場所打ちコンクリート杭は必要ないです。)
六価クロム溶出低減型という固化材(タフロックやジオセット)もあるので使用することも検討しましょう。
六価クロム溶出試験は2万円程度で試験をしてくれる所はあると思いますので、環境事故防止のためにも固化材を使用する場合は、試験を行う様にしましょう。
土はだいたい5kg程あれば試験はできるかと思います。
固化材で使う材料についても円程度(参考)ですので環境事故防止のためにも使用する事を検討しましょう。
最後に+α
六価クロムについて騒がれるようになったのは、今から50年程度前からです。健康被害などが生じてから工事でも注意が必要なことが認知されるようになりました。
六価クロム汚染事件
1971年
江東区大島地区で、日本化学工業株式会社小松川工場から排出された六価クロム鉱さいによる汚染が深刻化し、大きな社会問題となりました。
1973年
東京都が都営地下鉄建設のために買い上げた土地で掘り起こしをした際、大量のクロム鉱滓(こうさい)が見つかり、環境基準の2万倍もの六価クロムが含まれていた事件が発生
その他にも、特に工業地帯等では六価クロムについてニュースで取り上げられているのを見かけます。
工事をする際は、十分に注意していきましょう。
六価クロム溶出試験の対象工法については、国土交通省によって決められたものが詳細に書いてあります。Q &A集もありますのでぜひ一度見てみて下さい。
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