現場管理をしていく上で、安全面はとても大切な事です。
安全第一というように、何よりも優先すべき事です。今回は、火気作業についてまとめました。
火気作業の計画時に大切なこと
火気作業がある工事の計画をする際に大事なことは以下になります。
- 発泡プラスチック系断熱材・保温材等の可燃物が近接してあるかの確認
- 部材等を取付をする際や撤去する際は、無火気工法でできないかを検討する
- 可燃物の事前撤去の検討
- 火気の養生計画
ニプラ(油圧・ハンディタイプ)・ハンドシャーなどの使用も考慮しましょう。
火気作業を行う際に、可燃物はないだろうと思って作業を行うと取り返しのつかない事になる可能性が考えられます。
新築工事では、周囲に可燃物があることを確認し、撤去しやすいですが、改修工事の場合は火が燃え移る可能性がある箇所が多かったり、周囲の移動が厳しい場合もあります。改修工事の際は、極力火を使わない作業計画をするようにしましょう。
計画時に溶接・溶断作業等の火花が発生する火気使用作業がやむを得ず発生する場合があります。対策を行うと共に、ダブルセイフティを考えて実践するようにしましょう。(一つ目の安全対策が破綻した時に二つ目の対策で防ぐことができる。)
また、緊急時の連絡体制を確立しておく事も大切です。もしも火災が発生した際には、初動が大切です。そのためにも連絡体制を確立して連携できるようにしましょう。
火気作業を実施する際に大切なこと
火気使用作業の際に確認すること
専門工事業者が入場する際に教育する必要があります。
- 当該火気使用作業計画・消火器の取扱・緊急時の連絡方法
- 作業場所からの避難ルート
作業責任者を選任して、作業場所に常駐してもらいましょう。
可燃物の存在及びその危険性、火気管理対策について周知を行いましょう
監視人の氏名を火気使用願い等に記録を残すようにしましょう。
事前に火災が発生するおそれのある範囲の養生は確実に行いましょう。作業終了後の確認は、サーモグラフィを使用することも便利です。
消火器を決めた位置に置くようにしましょう。その際に消火器設置場所のマップを作成し、掲示すると作業員の方への周知になります。
作業範囲の可燃物を確認し、飛散火気、熱伝導に対し安全な場所に移動するか、又は不燃シートで養生する。
溶接、溶断作業等で火花の落ちるものは必ず火受皿を使用するようにしましょう。
火災防止のために、ダクト、配管類は保温材や付着した油脂、塵埃等の除去を事前に行うようにしましょう。
作業場所を離れる場合は、残火を確認しましょう。作業終了から1時間程度は残火の確認のためにも残るようにしましょう。
改修工事では、火災報知器関係の養生の実施と作業終了後の養生撤去・復旧確認を行いましょう。
設備関係では、空調系統・配管系統の確認をしましょう。(反対側の部屋まで確認を行い、発生した火の粉、煙等が他の部屋へ流入しない対策を講じるようにしましょう。)
専門工事業者の監視人と元請監督でダブルチェックをするようにしましょう
養生として使用するものは、スパッタシートを使用しましょう。(例:カーマロンTKW0242SP)
耐熱性、電気絶縁性、耐薬品性にも優れ、無機繊維にはない紡織加工性やドレープ性を持っています。
金額はかなり高いですが火災が起こしてしまうことに比べれば安いものです。
有機溶剤系の塗料が付着する可能性のある発泡プラスチック系断熱材に対しては、不燃材でコーティングするようにしましょう。(ダンコート等)または、有機溶剤系以外の材料で塗装するようにしましょう。塗料が付着しないよう十分養生しましょう。
最後に
私自身、現場で大きな火災が発生した事はありませんが、火災になりかけた事はあります。
デッキスラブの上にスタイロフォームを敷いており、近接して鉄筋の圧接作業がありました。これを聞くだけで、今振り返っても危険すぎるのですが、当時は経験も浅く工程も逼迫していました。(言い訳になりませんが、、)
スタイロフォームにいつの間にか火の粉が燃え移っており、すぐに気がついたので消火バケツの水を掛けるだけで消火できましたが、スタイロは静かに燃えていくので、気付かないうちに燃え広がってしまう可能性があり、とても危険です。
火災は煙がでてしまうので、目に見えて周囲からも分かります。火災を起こしてしまうと近隣の方々からの信用も失ってしまいます。
みなさんも自分の現場で火災を起こさないように計画時、実施時に注意して施工をしていきましょう。
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