コンクリートの圧縮試験が不合格だった場合について

施工関連

こんにちは!せこかんくんです。

今回はコンクリートの強度について話をします。構造体のコンクリートが圧縮試験に不合格だった場合、壊してやり直しの可能性があります。

もしそうなってしまった際に、発注者やコンサル、監理者との協議事項になるものとして話をします。

構造体のコンクリート強度

構造体とは主に、基礎、柱、梁、壁、床などで構成されています。建物に加わる力を支える役割をしています。建築基準法では、『構造耐力上主要な部分』としては、基礎・基礎ぐい・壁・柱・小屋組・土台・斜材と定義されています。

構造体のコンクリート強度は、材齢91日で所定の強度が得られるように調合設計されています。

構造体コンクリート強度の管理方法としては、材齢28日の標準養生供試体で圧縮強度試験を行い、構造体の材齢91日の強度を推定して、合否判定を行います。

材齢28日の判定で「不合格」となった場合は、躯体からコアをすぐに採取しても材齢91日未満では構造体強度は所定の設計基準強度(Fc)に到達していないことが考えられます。その場合は、慎重に対応する必要があります。

不合格だった場合の対処法

材齢 28 日標準養生供試体で不合格の判定が出てしまった場合は、最終的には構造体からコアを採取して強度の確認が必要になります。(住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づいた住宅性能表示制度(品確法)の劣化対策等級2、3の場合は別途検討が必要となります。)

コアを採取して確認する前に、JASS5(鉄筋コンクリート工事標準仕様書)に対応処置が記されているので、確認してみてください。

コンクリートこ出荷記録・品質管理状況などを確認して打設を行ったコンクリートの調査を実施することも必要です。

また、試験機の状況、研磨の状況など確認。試験後供試体が残っていればその破断状況に偏芯などが無いかの確認をして圧縮強度試験が適切に実施されたかを確認します。

コア採取、試験を行う際の注意点

コアを用いた圧縮強度試験は、コアの採取場所や材齢・試験方法の影響により、正確な強度を測定することができない場合があります。

コアの採取および試験に当たっては、JIS A 1107(コンクリートからのコアの採取方法及び圧縮強度試験方法)の記載を参考に注意してください。

試験材齢は原則として91日とする。91日未満で行う場合は、材齢28日の強度結果と気象庁や生コン工場の外気温履歴などから所要の強度が発現しているかを慎重に判断する必要が有る。

コア採取はスラブや雑壁は避け、可能な限り厚い部材を選定し、垂直部材ではスラブから1m前後の高さで採取します。

コアの採取場所は鉄筋探査をして鉄筋を傷つけない位置で行います。

コアを採取する際の径は、粗骨材最大寸法の3倍以上必要となります。

コアドリルは自動送りで、回転速度は速くします。

コア試験体の成型時には、型枠表面から20〜30mm程度は除去したほうがいいです。

また、コア供試体端部の両端の研磨を確実に行います。あまりコア採取、試験をやることがないので分からない事もあると思いますが、試験をする業者さんに任せっきりにはしないようにしましょう。

最後に

もし、コア試験で強度不足となれば躯体の取り壊しもありえるので、現場の工程、士気、評価、コスト面で大ダメージを受けてしまいます。

以上がコアを用いての構造体強度の確認です。最終手段になるのでコア採取、試験をやる状況にならないように注意していきましょう。

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