シート防水を施工したら水溜りができた!?勾配に注意

施工関連

こんにちは!せこかんくんです。

今回は、アスファルト防水シート防水の勾配について話をしようと思います。

アスファルト防水とシート防水それぞれの特徴

アスファルト防水は、アスファルトの被膜を使用してルーフィングシート類を張り重ねて一体化する(積層防水層)工法です。

水密性・耐久性があるのが特徴です。

種類としては、熱工法・常温粘着工法・トーチ工法・常温複合工法などがあります。

最近は、常温(冷)工法が現場で施工されることが多いと感じています。

シート防水は、ゴムシート塩ビシートを使用して屋上の下地に敷き一体化させる工法です。

アスファルト防水の方が、シート防水よりも重量があるため建物の構造によっても変わってきます。

シート防水は、既存建物が押えコンクリート仕上げのアスファルト防水の場合に、その上に改修工事として施工されることも多いです。

勾配に注意

JASS8で定められている仕様では、押えコンクリートの場合は1/100〜1/50、シート防水の場合は1/50〜1/20となっています。

そのため、シート防水を改修工事でする際は、シート防水のほうが勾配が急なため注意が必要です。

押えコンクリートの上にシート防水を施工した場合、勾配が緩くなってしまうので水の流れが悪くなります。勾配が取れてない部分があると水が溜まってしまう可能性があります。実際にそのような現場も見た事があります。

現地調査を行う際に、既存が十分に勾配がとれているかを確認することも大切です。

また、屋上にはハト小屋や設備基礎など施工上問題となるものがある可能性が考えられるため確認しておく必要があります。

水が溜まっていることは機能上あまり問題ないですが、施工後にすぐ水溜りができると施工不良だと思われてしまいます。

クレームになってしまい、説明不足だと言われて、最悪施工のやり直しになってしまうと莫大な費用となってしまいます。

対応、解決策

上記のことを理解していれば、対策をする事ができます。

お施主さん(発注者)は、シート防水の施工後に水が溜まるとは思ってないため、事前水が溜まる可能性を説明して理解を得る必要があります。勾配を修正してから施行することも考えられるので、コストアップも含めてお施主さんに選択していただくのが良いかと思います。

新築工事の際は、将来的な防水工事を見据えた提案ができると親切だと思います。

知識として知っていないと、防ぐ事ができないので、防水工事をする際は思い出していただきたいと思います。

まとめ

  • 押えコンクリートがある場合とアスファルト防水、シート防水ではJASS8での仕様(勾配)が異なる
  • 改修工事を行う際は、現地調査や見積もりを行う前の段階でお施主さんに水が溜まるリスク又は勾配の調整を行うかを確認して理解を得た上で工事の計画・実施をする。

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