こんにちは!せこかんくんです。
今回は、カーテンウォール工事について経験を元にまとめました。高層ビルやマンションでは外壁としてよく使用される工法です。
カーテンウォールとは?
一般的に、建物の外壁として取付されるもので、非耐力外壁になります。
強風や地震が生じたときに、破損することなく追従する壁になります。
メタルカーテンウォールとプレキャストカーテンウォールがあります。
取付方式として、ロッキング方式・スライド方式・スパンドレル方式・柱梁方式・マリオン方式等があります。
水密性能としては、オープンジョイントとフィルドジョイントがあります。
私の現場では、プレキャストコンクリートカーテンウォールのロッキング方式(オープンジョイント)で施工を行いました。
鉄骨造高層ビルの場合、外壁でPCカーテンウォールを取付する機会は多いと思います。
私の経験を元に1日にどれくらい、何ピース取付する事ができるのかをまとめました。
1日に何ピース取付が可能か?
結論から言うと、平均して1日に15ピース程度取付が可能でした。最大取付枚数は、20ピースで最低取付枚数は、作業中止した時を除くと11ピースでした。
だだし、下記の条件によって大きく変わるので注意しましょう。
私が経験した現場の条件も合わせてまとめました。
- 揚重機の性能 タワークレーン23m-16.0t
- オペさんの腕 良
- PCを取り付ける職人さんの腕 良
- 建物の高さ 約100m
- 部材の重量・大きさ 最大8.1t、4000×1000〜3000(mm)
- 搬出入動線 時間など制約は無く一方通行
- 揚重可能時間 8:30~17:00
- 作業環境(作業床) コンクリートスラブ一部鉄骨のみ
- 天候
- 作業人数 5人~7人
取付枚数が11ピースだった時は、作業がしずらい場所で風が強い状況でした。
トラックからのPC部材荷卸しとして、60tRCを合番して施工を行いました。
溶接作業もあるため、作業は天候にも大きく左右されます。
カーテンウォールを取り付ける流れ、作業フロー
カーテンウォール(PC版)を取付するまでの流れを説明します。
- PC版の搬入
- PC版に2次ファスナーを仮付け
- 吊り上げ用治具の取付
- 建起こし
- 取付位置へ揚重
- 引込
- 据付
- 2次ファスナーセット、仮止
- PC版の出入り、倒れ、レベル、寄り、建入れの調整
- 吊金具取り外し
- 溶接準備
- 溶接作業
- 溶接部の検査
- 鯖止め塗装
- 1次締め、マーキング、本締め
という作業の流れになります。作業中は揚重機を占領してしまうため、その他の作業でクレーンを使用する作業が厳しくなります。
施工する際の前段取りと注意点
私の現場の場合は、コンクリートの床が打設された状態で躯体を追いかけるように施工していく流れでした。例)8階躯体工事中・3階PCカーテンウォール工事のような形で施工を行いました。
前段取りとしてすることは、
- PC版取付を行うための墨の確認
- PC版を取り付けする際の上部に障害物がないか(鉄骨造の場合は吊ピースやコラムステージ等の仮設設備等が撤去されているか)
- 施工を行う部分の外周垂直ネットがめくられているか
- PC版を取付するファスナーが取付してあるか
- コンクリート躯体の上に乗る場合は防水など前工事が完了しているか
- 作業員が作業する床があるか
- 親綱等安全帯を掛ける施設が整っているか
以上のことは、施工する直前までには確認しておきたいことになります。
施工時の注意点は、
- 重量物のため、吊荷直下の人払いを確実に行う
- 溶接のチェックを行う
- 施工前に親墨からの確認を行い、施工後も再度確認をする(ピアノ線やトランシットを使用して水平及び垂直の確認を行うと上下階のくい違いが生じにくくなります。)
- 壁つなぎ等の仕込み物がある場合は事前に仕込む
- 工具類の落下防止措置を確実に行う
- 安全施設を整える(手すりや親綱、作業床)
- 1次締め、マーキング、本締めが決められたように施工されているか
最後に
カーテンウォール工事は、工場生産のため安定した品質が確保できて、工期短縮も図れるとても利点がある工事です。
しかし、安全管理の面では重量物の揚重、高所作業、飛来落下と重大な危険が伴う作業になります。
安全設備をしっかりと整えて作業中も職人さん任せにせず、危険がないか注視する必要があります。
以上がカーテンウォール工事についての話です。
少しでも参考になれば幸いです。
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