こんにちは!せこかんくんです。
今回は、平板載荷試験について書いていきます。
平板載荷試験とは?
構造物を設置する地盤に載荷板を通じて荷重を加え、荷重と沈下の関係から地盤反力係数や支持力、変形特性を求めるために行う原位置試験です。
実際の構造物の支持力の検討に応用されたり、杭打機、ラフタークレーン、クローラークレーン等の重機の転倒防止のために試験を行ったりします。
①試験地盤面は、載荷板の中心から載荷板直径の3倍以上の範囲を水平に整地します。
②載荷板は、直径30cm以上の円形とし、上下面が平滑で厚さ25mm以上の鋼板を使用します。載荷板直径の1.5倍〜2倍(45〜60cm)までの深さの地盤支持力特性の調査をすることができます。
使用機材
ジャッキ | 1台 | 100kN用オイルジャッキ |
荷重計 | 1個 | 油圧制御100kN用 |
変位計 | 4個 | ダイヤルゲージ、測定範囲0〜30mm、最小読取値0.01mm |
載荷板 | 1枚 | φ300mm円形型鋼製板、t=30mm |
試験における準拠基準
地盤工学会基準 JGS 1521に準拠して実施します。
載荷方法は、段階式載荷又は、段階式繰返し載荷で行います。
私が最近行った載荷方法としては、段階式載荷(単調載荷)で荷重段階としては、単サイクル載荷で試験最大荷重を5等分して試験を実施しました。
載荷時間としては、段階毎に30分(除荷5分)で実施します。
検討事項・手順
重機を据える際の検討をする時は、使用する重機の中で最大設置圧が最も高いもので考えていきます。
①極限支持力に短期安全率2を乗じた値を確認する荷重として設定します。(最大確認荷重)
②載荷板の面積を求めて、上記で求めた最大確認荷重に載荷板の面積を乗じて実際に載荷される荷重を求めます。
③段階的に載荷することから、(今回は5段階で考えます。)②で求めたものを5で割ります。(段階荷重)
④段階荷重が求めることができたので最終荷重までが決定します。
例)5で割った段階荷重が4kNだった場合は最終荷重 4.0×5=20.0kN という事になります。
試験にかかる時間は?
8:00〜9:00 朝礼、KY、試験準備
9:00〜11:30 平板載荷試験
11:30〜12:00 片付け、清掃
という流れになります。
載荷時間 30分×5段階やるため試験の時間だけで2時間半はかかります。
また、重機を使用して試験をやる場合は、0.25以上のバックホウがあれば十分かと思います。ただし、試験最大荷重の1.5倍以上はないと反力の浮き上がりが生じる可能性があり、危険であるとともに載荷できない可能性があります。
平板載荷試験をやるまでの流れは?
①載荷板設置
試験地盤は平坦に整地をしておきます。
敷砂等で平滑に仕上げます。(水平器で確認)
載荷板を設置して再度水平を確認します。
載荷装置、計測装置を設置します。
②変位計設置
載荷板の対象の位置に、4個取り付けます。
固定支柱は鋼製のスタンドにより固定して、不動梁は口型鋼製35×35mm厚さ3mmを用います。
③予備載荷
変位計の動作確認後に不陸等のチェックのために予備載荷を行い、載荷地盤面と載荷板の状況を確認します。2回程度行います。
④試験開始
沈下量の累計を測定します。
載荷板の対象に取り付けた4個の変位計により行い、平均値を載荷沈下量とします。
荷重管理はオイルジャッキによって行います。
⑤その他
地盤工学会基準『地盤の平板載荷試験(JGS-1521)では、反力装置は試験最大荷重の120%以上の荷重が得られるものでなければならない』となっています。
以上が平板載荷試験を実施する流れになります。
これから平板載荷試験を行う予定の方や平板載荷試験をやったことのない方の参考になれば幸いです。
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